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2025/01/09
滅びの美 藤田志朗さん回顧展【いばキラニュース】R7.1.9
幻想的な心象世界を描き続ける日本画家・藤田志朗さん(73)の個展「幻視する風景 藤田志朗の世界」が、北茨城市の県天心記念五浦美術館で開かれている。朽ち果てた人工物を描いた幻想風景を主体に、月と花を題材に自然災害の犠牲者を悼む近作まで約30点を集め、40年を超える画業を回顧。滅びゆくものを追究するその筆致は、花鳥風月とは別次元の美を伝えている。
藤田さんは1951年、日本画家であった両親の元京都市に生まれた。東京芸術大では、日本画家の稗田一穂氏、工藤甲人氏らに師事。1980年に同大大学院を修了し、翌年には日本画団体の第8回創画展で初入選を果たす。以降、打ち捨てられた機械類、荒涼とした海景が織りなす独自の心象風景を確立していく。
2000年代に入ると、作風はより洗練された月夜の海景へと展開する。さらに11年3月の東日本大震災を機に作風は劇的に変わり、画面には大きく描かれた月とそれに呼応する無数の花々が表されるようになる。
創作の一方、1985年から約30年にわたって筑波大で教職を務めたほか、県美術展覧会の運営にも尽力するなど、県内の美術振興にも貢献する。
藤田さんは、画家として歩み始めたころを振り返り、「視覚的にきれいなものより、なぜか朽ちた機械類など滅びゆく姿に心を引かれた」と話す。「強い主張などは一切なく、身の回りの自然や社会の出来事を自分なりにこなし絵にしてきた。40年の歩みを、自由に感じ取っていただけたら」と呼びかけた。
会期は2月11日まで。
藤田さんは1951年、日本画家であった両親の元京都市に生まれた。東京芸術大では、日本画家の稗田一穂氏、工藤甲人氏らに師事。1980年に同大大学院を修了し、翌年には日本画団体の第8回創画展で初入選を果たす。以降、打ち捨てられた機械類、荒涼とした海景が織りなす独自の心象風景を確立していく。
2000年代に入ると、作風はより洗練された月夜の海景へと展開する。さらに11年3月の東日本大震災を機に作風は劇的に変わり、画面には大きく描かれた月とそれに呼応する無数の花々が表されるようになる。
創作の一方、1985年から約30年にわたって筑波大で教職を務めたほか、県美術展覧会の運営にも尽力するなど、県内の美術振興にも貢献する。
藤田さんは、画家として歩み始めたころを振り返り、「視覚的にきれいなものより、なぜか朽ちた機械類など滅びゆく姿に心を引かれた」と話す。「強い主張などは一切なく、身の回りの自然や社会の出来事を自分なりにこなし絵にしてきた。40年の歩みを、自由に感じ取っていただけたら」と呼びかけた。
会期は2月11日まで。