つくばエクスプレス（ＴＸ）を運行する首都圏新都市鉄道（東京）は10月25日、来年春から営業運転を開始する新型車両「ＴＸ－３０００系」をＴＸ総合基地（つくばみらい市筒戸）で報道陣に公開しました。初めてユニバーサルデザイン（ＵＤ）シートの優先席を全車両に取り入れるとともに防犯カメラを導入し、車内の快適性と安全性を向上させたのが特徴。来月３日のＴＸまつりで一般公開されます。
 　同社によると、導入車両数は５編成30両。今回公開した１編成６両は先行して造られ、９月下旬にＴＸ総合基地に搬入されました。残る４編成は12月と来年１月にそれぞれ到着します。
 　デザインコンセプトは「継承、進化、洗練」。コンセプトカラーの青と赤は従来のままで、外観は先頭車両前面の傾斜を強くしたデザインになっています。
 　車内は、車両連結面の仕切り扉を全面強化ガラスにするなど、開放感ある内装を実現。ドア上部に設置してある大画面の液晶表示器は英語、中国語、韓国語の案内に対応している。利用者の意見を取り入れ、座席のクッション性を高め、窓には紫外線を抑制するＵＶカットガラスを採用しました。
 　ＵＤシートは、首都圏では相模鉄道に次いで２例目となり、全車両に導入しました。３人掛けで座席間には手すりが設置され、一般の座席に比べ高さが１・５㌢上がり、妊婦やお年寄りの立ち座りが容易となります。
 　ベビーカーや車いすの乗客に対応するフリースペースは、これまで１編成２両のみだったが全ての車両で用意。つり手の数は１編成当たり９３２個と従来よりも最大で２０８個増加した。
 　防犯カメラは全車両のドア上部４カ所に設け、車内のセキュリティー向上を図っています。
 　車両の新造は同社にとって２００５年８月に開業して以来初めてで、年度末のダイヤ改正に伴う朝の運行本数増に大きく寄与します。同社車両課の志田秀行係長は「来春のデビューに向けて現在は車両の機能確認や試験を行っている。朝のラッシュ時に乗りやすい、便利な車両として利用してもらいたい」と話しました。