下館（筑西市）－茂木（栃木県茂木町）間約42㌔を走る真岡鉄道真岡線で7月18日、蒸気機関車「SLもおか」の営業運転が再開しました。ＳＬは新型コロナウイルス感染予防のため、３月から臨時運休していました。大きな汽笛と共にゆっくりと走り出したＣ12形蒸気機関車の姿に、ファンや沿線住民は感染収束と経済的打撃からの復活への希望を込めました。
　下館駅発の下り列車は、再開を待ちわびた人々で全席が埋まりました。通常の定員は２３０人だが、３密を避けるため、半分の１１５人に絞り込んだ。同鉄道の軽部紀明総務部長は「しっかりと除菌対策をとっている。夏休みに多くの子ども連れの家族に乗っていただければ」と強調しました。
　駅ホームにも、雄姿を見守ろうとファンや沿線住民らが集結。発車時には、ＳＬファン向けのお子様ランチ「子鉄（こてつ）ランチ」を提供をする市内飲食店14店の関係者らが「いってらっしゃい」と手を振って見送りました。 　真岡線と同じく同駅を起点とする関東鉄道常総線の職員たちも「私たちも応援します。皆さん気をつけて」とアナウンス。発車するＳＬに向けて手を振った。ＳＬとほぼ同時に同駅を出発した常総線の気動車「キハ５０００形」の窓には「ＳＬ再開おめでとう」と記された紙が貼られました。
　水戸市の平井瑞穂さんは夫と長男の親子３人で初めて乗車。「子どもが電車好きなので、一度ＳＬに乗せてあげたかった。子鉄ランチもぜひ食べたい」と話しました。同ランチを提供する沖縄料理店「がなはん」（同市丙）従業員の牛久和行さんは「ＳＬ再開はうれしい。多くの人に下館の街を歩き、子鉄ランチを食べてほしい」と期待を込めました。