政府が東京電力福島第１原発の処理水の海洋放出を正式決定したのを受け、大井川和彦知事は４月13日、内閣府の松永明福島原子力事故処理調整総括官とのオンライン会談で「地元の自治体として、しっかりと受け止めさせていただきたい」と述べ、政府方針に理解を示しました。北茨城市の豊田稔市長も取材に対し「容認する」と明言し、漁業者など関係者への丁寧な説明や風評被害対策などを求めました。
　大井川知事は会談後、海洋放出の結論について「いくつもの選択肢を検討した上でやむを得ぬ選択だったという話は承っているので、納得している」と話しました。一方で「特に漁業関係者を中心に、まだまだ納得されている状況ではない」とし、国や東電と漁業関係者との話し合いを巡っては「さまざまなお手伝いはさせていただきたいと思っている」と言及しました。
　豊田市長は、県市長会が昨年９月に梶山弘志経済産業相に提出した要望書を引き合いに「それをきちっとやってもらう」と述べました。海洋放出を巡っては、放射性物質トリチウムの濃度を基準以下に薄めるとの政府方針を踏まえ、「国際法上きちっとした処理水なのだから、流してもいいと信じている」と強調しました。
　県市長会長の山口伸樹笠間市長は同会の対応として「今後の状況を踏まえ、特に沿岸部の首長の意見を聞いて、必要があれば国に申し入れたい」と話しました。