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2021/09/01

倭文織交流会【いばキラニュース】R3.9.1

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常陸国風土記に、現在の那珂市瓜連地区で織られていたと記載され、10世紀には姿を消したと伝えられる幻の織物「倭文織(しづおり)」について、同市と岡山県津山市、兵庫県南あわじ市で復活に取り組むグループがオンラインで交流会を開き、各地域の活動報告や講演で理解を深め、次の世代へ継承していく方策について意見を交わしました。
 倭文織は、日本最古の織物の一つとされ、素材となるコウゾや麻などを糸に加工し、織物を作る。数少ない文献を頼りに、復活に取り組む3地域が初めて交流会を開催しました。
 「倭文織WEB交流会」と銘打ち、ビデオ会議システムで8月24日に開かれた交流会で那珂市からは、市立瓜連小学校教諭の羽金瑛美子さん、市の継承グループ「手しごと」メンバー3人が事例を発表。
 羽金さんは、瓜連小の「しづ織クラブ」で、コウゾや麻の糸は扱いが難しいため毛糸などを代用し、小物の創作を児童に指導している。手作業で丁寧に機織りをしている子どもの様子が映し出され、「力加減が難しく、織物が縮れてしまい糸が切れてしまう」と倭文織作りの難しさを報告しました。
 手しごとのメンバーらは、グループ結成についてや倭文織の糸作りや、2019年に市で行われた茨城国体馬術競技大会の参加者に、土産品として倭文織のしおりを2千枚提供したことを紹介しました。
 南あわじ市から参加した市立倭文(しとおり)小教頭の さんは、授業の一環として倭文織体験を実施している様子を報告。生徒数が少ないため、小学1~6年生でグループをつくり、上級生が下級生に倭文織を教えています。子どものコミュニケーションや絆づくりも目的に倭文織に挑戦しています。
 津山市の「倭文(しとり)の郷」のメンバーは、倭文織にゆかりのある史跡や歴史の研究について報告。倭文織にゆかりのある史跡だけでなく、同市の歴史について、小学校での倭文織体験活動を通して、子どもたちに継承を促しています。
 講演会では、元瓜連町長の先﨑千尋さんが倭文織のルーツをたどり、南あわじ市や津山市でも倭文織の伝承に取り組んでいることを知り、交流を始めた経緯を披露。また、帝塚山大の植村和代名誉教授が、倭文織の文献が少ない事を踏まえて「前例のない織物のため、地域によってオリジナルの織物がある」とし、「現段階の研究で分かっているのは倭文織は青、黄、茶色の縦じまの織物」と解説し、復元した倭文織を紹介しました。  手しごとの勝村あき子会長は「学ぶことが多く倭文織について深く知れた。後世につなげていきたい」と感想を述べました。
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