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2021/09/16

墨の魅力を堪能【いばキラニュース】R3.9.16

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 墨の魅力を堪能する企画展「ひろがる墨-五彩に出会う」が、北茨城市大津町の県天心記念五浦美術館で開かれました。新型コロナウイルス感染拡大に対する県の非常事態宣言で8月18日から休館し、同期間の2度の延長により、再開せぬまま終了しました。横山大観や小川芋銭の代表作から、現在活躍する作家まで、「墨」にちなんだ62点を紹介。それぞれが挑んだ表現の変遷と、技法によって自在に表情を変える墨の奥深さに触れました。いわば「紙上美術展」として、同展を振り返ってみました。
 中国から伝来した墨は日本の美術史に大きな影響を与え、近代以降も多くの画家を魅了しました。その理由に挙げられるのが、墨の持つ抽象性です。「墨に五彩あり」とされるように、墨は黒単色と捉えるのではなく、見る者の想像力を刺激して色彩を感じさせ、多様な表現や解釈を可能にしました。
 今展は、県近代美術館の所蔵作品を中心に、中世から現代に至る墨の表現を7テーマで紹介しました。茨城ゆかりの日本画家、横山大観の「朝霧」や小川芋銭の「海島秋来」をはじめ、墨にまつわる多様な作品を集めました。
 導入では、岡倉天心と墨の関わりにスポットを当てました。天心の詩作の中から、漢詩「登慈雲寺偶感」を県内初公開。このほか天心がアメリカの友人に東洋の美術を紹介するため描いた「山水の図」「竹の図」なども展示しました。  続くコーナーでは、絵を描く際に欠かせない筆の運びや技法に注目し「筆墨の美」を堪能しました。細かな点や筆線を重ね、岩肌の質感や樹木の葉を表現する皴法(しゅんぽう)という技法や、絵の具が乾ききっていない部分に、別の絵の具を重ねてにじませる「たらしこみ」など、筆と墨を使い分ける効果を紹介しました。  常総市出身の猪瀬東寧の「秋景山水図」は細かな筆線で壮大な自然を感じさせ、今村紫紅の「牧童」はにじみやかすれを生かして風を表現。前田青邨の「鵜飼」は、波と雨をそれぞれ線と面で描き分け、濃淡によって揺れ動く水面の奥行きを表現しました。
 中近世の作品では、中世水墨画に新境地を開いたとされる雪村の「敗荷鶺鴒図」などが見どころ。大観、芋銭の代表作へと展示は続き、大観の「朝霧」は、余白を効果的に使いながら、墨のぼかしを生かして空気感や湿度まで演出しました。
 このほかにも第一線で活躍する現代の画家4人の作品を展示。浅見貴子の「Matsu20」は、紙の裏側から描く独特の手法を取り入れ、植物の生命力をダイナミックに表現しました。
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