ダイオウイカの標本展示ケースから保存用のホルマリン溶液が漏れたため臨時休館していた県自然博物館（坂東市大崎）が９日、約５週間ぶりに再開しました。
動物の剝製や植物のさく葉標本などを展示する企画展「ミュージアムパークコレクション」が開幕しました。
同館が保管する約39万点の資料のうち、普段は展示しない標本群１５０７点を特別公開します。
展示は「動物コレクション」「植物コレクション」のコーナーに分かれ、比較研究用標本の仮剝製や、
生物の新種を発表する際に指定される基準標本「タイプ標本」などが並びます。
動物コーナーは、マレーグマ、メガネグマなど世界に生息するクマ全８種類の剝製や鳥類標本などがそろい迫力満点です。
植物コーナーでは、標本を残すための工夫と、学術的価値が高く、普段は厳重保管されているタイプ標本を展示。稲敷市内で採集され、
２０１７年に新種記載されたミョウギノハリイや１９６３年に八溝山で採集されたハゴロモヤマブキソウなどのタイプ標本を紹介しています。
同館学芸員の後藤優介さんと伊藤彩乃さんは「展示を楽しみながら、調査研究、資料の保管・管理など博物館の収蔵庫が持つ意味を皆さんに理解してもらえれば」と話していました。 企画展は６月12日まで。土日祝日と特定日は事前予約制。
同館によると、ダイオウイカの標本は現在、同館敷地内の冷凍庫で保管。代替のケースが入手できていないため、展示再開については検討中です。