茨城空港（小美玉市）の国際線定期便で、中国の格安航空会社（LCC）春秋航空が運航する上海便が8月4日、3年半ぶりに再開しました。定期便再開で、コロナ禍で落ち込んだ本県観光の需要回復やビジネス交流の促進が期待されます。
　空港ロビーでは中国語で「ようこそ茨城へ」と書いた横断幕を掲げ、県職員ら約20人が出迎えました。荷物を持って現れた観光客らは、歓迎に驚いた表情を見せた後、贈られた小美玉市の特産品など記念品を笑顔で受け取りました。
　初来日という上海の大学院生は7泊8日で東京や大阪を観光する予定。「茨城便は成田便と比べて（旅費が）安いし、雰囲気も良い。帰国したら友人に勧めたい」と話しました。一時帰国で利用した日本人男性は「再開でルートの選択肢が広がった。頻繁に利用したい」と語りました。
　上海便運航は2020年2月20日以来で、日、月、木、金曜に週4往復します。県によると、茨城着の第1便は座席数186に100人以上が搭乗し、主に個人観光客が占めました。折り返しの便は在日中国人の利用などでほぼ満席となりました。
　県は再開を受け、県上海事務所を通じて本県の知名度向上を図り、個人観光客の誘客を推進。本県観光地の情報発信やプロモーションも行い、中国当局が現在認めていない団体旅行客の解禁後の取り込みを目指します。県の鈴木空港対策監は「搭乗者が往復ともに100人を超え、上々の再開ができた。この状況を続けて両地域の交流を活発化させていきたい」と述べました。
　茨城空港の国際線定期便は3月に台湾・台北便が再開。一方、春秋航空が運航する西安便は、年内までの運休が既に決まっています。