太平洋戦争末期に米軍による激しい空襲や艦砲射撃で1500人以上の犠牲者を出した日立市の平和集会・行進が8月15日、市役所と平和通りなどで行われました。市民ら約80人が参加し「戦争の悲惨さを忘れず、平和な社会を守っていく」と誓いを新たにしました。
平和行進は4年ぶりの開催。市民団体や労働団体でつくる「平和をまもる日立市民会議」が主催しました。1967年の終戦記念日に市民有志が市立助川小などで実施したのが始まりで、今年で57回目。
行進に先立ち市役所大屋根広場で集会が行われ、世話人を代表して元衆院議員の大畠章宏さんが「平和は誰かが与えてくれるものではない。力を合わせてつくっていく気持ちを大事にしたい」とあいさつ。小川春樹市長も「私たちには戦争のない平和な国を後世につないでいく大切な役割がある」と述べました。
その後参加者は、たたきつけるような激しい雨が降る中、国道6号と日立駅を結ぶ平和通りを約1ｋｍにわたって行進。日立市が1985年に核兵器廃絶・平和都市宣言したことなどに触れながら「一緒に行動しましょう」などと呼びかけ、約30分かけて歩きました。
同駅前では正午に平和の鐘が鳴り響く中、参加者は1分間の黙とうをささげました。市勤労者協議会の福森浩二会長は「ウクライナをはじめ世界各地で紛争が起きている。久しぶりに行進ができ、市民に平和について伝えられてよかった」と話しました。
軍需工場が多かった同市は米軍の標的とされ、45年6月から7月にかけて、1ｔ爆弾や艦砲射撃など3度にわたる大規模な攻撃を受けました。