茨城空港（小美玉市）で発着が解禁されたビジネスジェット（BJ）が5月25日、初めて運航された。旅行会社の試乗会として企画され、羽田空港との間を片道約30分で結んだ。試乗した経営者たちは「ストレスなく快適に移動できる」と利点を強調。運航業者は利用拡大の鍵に、利用者の空港滞在時間を最小限にする専用の動線整備などを挙げた。
　企業や富裕層が商用目的で使用するBJは、移動時間を大幅に短縮でき、発着時間や目的地を自由に調整できる強みを持つ。茨城空港では昨年10月、民間機の発着枠を原則1時間1着陸としてきたルールが緩和され、BJ乗り入れが可能となった。
　試乗会は、本県周辺のビジネス客らのBJ需要を見込む「スカイトレック」（東京）が25、26日の両日で計6往復を企画した。使用したジェット機「サイテーションC510マスタング」は定員4人で、時速約700㌔、航行距離約1千㌔。料金は130万～160万円台で、2時間以内の移動需要に対応できるという。
　県はBJも含めた民間機の就航や増便を図るため、空港機能拡大の必要性や時期、規模などを示す「将来ビジョン」を本年度まとめたい考え。専門家や関係機関による検討会を7月にも開く方針だ。