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2024/11/13

中村彝 輝く画業たどる120点【いばキラニュース】R6.11.13

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水戸市出身の洋画家で大正期に活躍した中村彝(つね)(1887~1924年)の没後100年を記念する企画展「没後100年中村彝展-アトリエから世界へ」が、10日から水戸市の県近代美術館で開かれています。同館での彝の回顧展は21年ぶり。
盲目のロシア人詩人を描いた「エロシェンコ氏の像」(20年、重要文化財)をはじめ、37年の生涯で残した代表作約120点を集めている。12日、同館で開会式が行われ、大井川和彦知事や県内の美術関係者ら約120人が彝の輝く画業をたどりました。
旧水戸藩士の家に生まれた彝は、幼くして両親を亡くし、11歳で長兄を頼って上京する。当初、兄2人にならって軍人を目指したが、17歳の時に肺結核にかかり断念。翌年、転地療養していた際、絵画に光明を見いだす。
その後、病魔と闘いながら、東京のアトリエを拠点に創作を続けた。画業は20年にも満たなかったが、ルノアールやセザンヌなど西洋画家の形式をいち早く取り入れ、多くの傑作を生み出しました。  
単独開催となる本展は、彝に関する最新の研究成果を踏まえ、各地に所蔵されている人物画や風景画などの代表作とともに、支援者との交流を伝える関連資料、同館が所蔵する遺品などをもとに日本美術史に輝く足跡をたどります。
主な作品は「エロシェンコ氏の像」をはじめ、同館での展示は35年ぶりとなる「巌」(09年)と「海辺の村(白壁の家)」(10年)、約半世紀ぶりに公開となる「リンゴと瓶のある静物」(12年ごろ)、交流のあった少女をモチーフにした「少女裸像」(14年)、関東大震災後に描いた「頭蓋骨を持てる自画像」(23年)など。影響を受けたルノワール作品「泉による女」(14年)も並びます。
開幕式で荒屋鋪透館長は「彝の回顧展は前身の県立美術館時代から数え5回目。今展は最新の研究成果により新たな価値を見いだされ、内容がさらに充実した」とあいさつしました。  
会期は来年1月13日まで。同館TEL029(243)5111。
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