笠間市の愛宕山で21日、奇祭「悪態まつり」が行われました。麓から山頂の神社まで16カ所のほこらに無言で供え物をする天狗の行列に、見物客らが「早くしろ」「休んでるんじゃねえ」などと罵声を浴びせかけ、御利益があるとされる供物を奪い合いました。
江戸時代中期から行われている同まつりは「日本三大奇祭」に数えられます。伝承によると、領主が政治に対する住民の意見を聞くため、その時に限りどんな悪態をついても罪にならないとして始まりました。 　
白装束に烏帽子（えぼし）を着用した氏子が扮（ふん）する13の天狗（てんぐ）は、神職とともに麓から山頂の神社まで約４㌔を行進。最後は同市泉の愛宕神社で餅や菓子をまき、参拝者らと「ばかやろう」を三唱しました。 　
動画投稿サイトで同まつりを知り見に来たという新潟市の会社員、相沢晴さん（27）は「恥ずかしかったが周りの勢いに押されて『熱いぜ、ばかやろう』と声を出した。悪態はネガティブなイメージがあったが、みんなニコニコで楽しそうだった。すてきなお祭り」と感想を述べました。